ガリバー「クレームガード保証」やビッグモーター「クレーム安心保証」は必要なの?

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ガリバー「クレームガード保証」やビッグモーター「クレーム安心保証」は必要なの?

ガリバーやビッグモーターで査定を実施してもらうと必ず出てくる話に「クレームガード保証」「クレーム安心保証」があります。

それなりの理由で説明されるため「入っておかないと危険そう」と思ってしまう人が多いです。

また、ガリバーやビッグモーターの公式サイトを見ても、一切書かれておりません。

果たして、クレームガード保証やクレーム安心保証は入る必要があるのでしょうか?

本記事では、そのような疑問を解決するために、

  • クレームガード保証やクレーム安心保証の範囲と内容
  • 加入するべきなのかどうか

を中心にお伝えしていきます。

目次

クレームガード保証・クレーム安心保証は加入する必要なし

ガリバーやビッグモーターで車を売却しようとすると出てくる「クレームガード保証」「クレーム安心保証」。

まず先に結論から言うと、加入する必要は全くありません。

そもそもクレームガード保証・クレーム安心保証とは?

クレームガード保証・クレーム安心保証とは、後から何か重大な欠陥が見つかった場合は、賠償を請求しないという保証内容

実はガリバーやビッグモーターの公式サイトを見ても一切触れられておりません。

クルサテ
結構、グレーな保証内容だから書かれていないんだよ。店舗で先にこちらから聞いても、話してくれないしね。

唯一、 ガリバー新潟竹尾店のブログにて書かれておりましたので、大事な部分のみ抜粋します。

ガリバー独自の任意の保証システムで、中古車査定をするにあたってガリバーだけでなくどんな査定業者でも、目視と動作確認による検査を基に現状価格を算出し、買い取り金額を算出します。査定士も人間です。

目視と動作確認だけでは発見できない不具合が売却先にて分かる場合もあります。その時に被った損害金については、元の売主にご負担いただくことになってます。

クレームガード保証は、万が一発生した損害金をお客様に、ご負担いただかないようにするためのシステムです。損害額100万円まで請求しない保証をしてくれます。

ガリバークレームガード保証

※出典:クレームガード保証とは? | ガリバー新潟竹尾店の店舗ブログより

書かれていることは最もらしいことが書かれています。

実際にTwitterを見ても、加入を勧められる事例が書かれています。

カー君
これらの保証はいくらかかるの?どれぐらい保証されるの?

加入に掛かる金額と保証内容

ガリバーのクレームガード保証は、国産車や輸入車によって金額が異なります。

また、保証期間は7ヶ月、保証額は最大100万円までです。

ガリバーのクレームガード保証内容

車の売買金額 クレームガード保証の金額 保証期間 保証額
国産車 輸入車
0~10万円まで 4,900円 4,900円 7ヶ月 最大100万円
10~20万円まで 5,900円 6,900円
20~30万円まで 6,900円 7,900円
30~40万円まで 7,900円 9,900円
40~50万円まで 8,900円 11,900円
50~100万円まで 9,900円 14,900円
100~150万円まで 11,900円 17,900円
150~200万円まで 13,900円 20,900円
200~250万円まで 15,900円 23,900円
250~300万円まで 18,900円 26,900円
300万円以上 21,900円 29,900円

ビッグモーターのクレーム安心保証もほぼガリバーと同じです。

ビッグモーターのクレーム安心保証

車の種類 保証料 保証期間 保証額
軽自動車 1万円 10ヶ月 最大100万円
普通車(買取額100万未満) 1万円
普通車(買取額100万以上) 2万円
輸入車 3万円

ビッグモーターのクレーム安心保証は車の種類で保証料が変わります。

カー君
ところでこれは加入するしかないの?
クルサテ
ううん、この保証制度はガリバーとビッグモーターのみの制度だよ。ぶっちゃけて言うと、買取額を下げるための材料だよ。

車の売主は契約不適合責任(旧瑕疵担保責任)はある

確かに車の売主には契約不適合責任(旧瑕疵担保責任)を負う必要があります。

売買契約に基づいて買い主へ引き渡された目的物に、引渡しを受けたときには分からなかった瑕疵(欠陥やきず)があった場合、売り主が買い主に対して負う責任をいう。たとえば中古車を購入したところ、購入時には容易にみつけることができない不具合がエンジンにあり、買い主(購入者)が修理しなければならなかった場合には、買い主は売り主に対して修理に要した費用を損害賠償として請求することができる。

※出典:コトバンクの「瑕疵担保責任」より

民法566条民法570条に定められています。

契約不適合責任により変わったことにより、「瑕疵」ではなく「契約内容に適合しないもの」と変わりました。

また、瑕疵担保責任では、買主からの要求が「契約解除」「損害賠償」だけだったのに対して、契約不適合責任では「契約解除」「損害賠償」「追完請求」「代金減額請求」と買主の権利がより強くなりました。

クルサテ
少し難しい話になったのでまとめるね!民法をそのまま解釈するとこうなるよ!
  • 買主(車買取業者)が車買取後に、あなた(売主)から申告されていない不具合が生じていると判断した場合、修理費や整備代などの請求(損害賠償請求)をすることができる。
  • 買主(車買取業者)が修理しても使用できない場合は、契約そのものの解除ができる。
    カー君
    え~じゃあ請求されたらのむしか無いってことですか?
    クルサテ
    それがそうでもないんだよ!買取業者は査定のプロであり本来見逃してはいけないからね。

    瑕疵を理由にした減額は原則認めなくてもいい

    国民生活センターや一般社団法人自動車公正取引協議会にこれらに近しいことが書かれています。

    国民生活センターの見解

    独立行政法人の国民生活センターに下記事例があります。

    【事例9】事故車と言われ、引き渡し後に減額された

    新車を買うために今の車の査定を申し込んだ。3 日前、自宅に来てもらい査定してもらったら 22 万円で買い取ると言われ、その場で契約し車を引き渡したが、2 日後業者から「隣の県のオークション会場に運び点検したら、事故車と判明したので半額での買い取りになる」と言われた。3 年前に 6 年落ちで購入したが、そのときには事故車だとの話はなく自分も事故を起こしたことはないと伝えたが、業者は、「納得がいかなければキャンセルするが、運送費 3 万円を解約料として払え、払わないと車は返さない」と言う。(2011 年 11 月受付 30 歳代 男性 給与生活者 静岡県)

    ※出典:国民生活センター「増加する自動車の売却トラブル 」より

    まさに後から減額請求をされた事例です。

    それに対して国民生活センターでは下記のアドバイスをしています。

    契約後の車両の瑕疵を理由にした契約の解除や減額は、原則として認めなくてよい
    査定して契約後、「よく調べたところ車には事故歴があることが判明したので、買い取り額を減額する」「修復歴があることがわかったので解約する」などと、事業者から、減額や解約を求められることがある。

    車両に「隠れた瑕疵」があった場合、事業者は消費者に対し、瑕疵担保責任に基づいて損害賠償および契約解除を求めることができる。しかし、事業者は査定のプロであり、通常の注意を払えば修復歴などは発見することができるものであり、事業者側に過失があったということができる。このように過失があった場合には、瑕疵担保責任を求めることはできない。

    また、「契約車両に重大な瑕疵の存在が判明した場合には、契約を解除することができる」といった、事業者の過失の有無に関わらず解除できる条文が契約書にあっても、この条文は消費者契約法第10 条(消費者の利益を一方的に害する条項の無効)によって無効とする主張が可能である。※1.車両の瑕疵を理由にして、契約後に買い取り価格を減額された場合には、この考え方をもとに交渉すること。

    ※1.この条文を使って、中古車売却時の契約条項を無効とした判決に、平成 18 年 3 月 10 日判決右京簡易裁判所平成 17 年(ハ)第 212 号(確定)がある。

    ※出典:国民生活センター「増加する自動車の売却トラブル 」より

    大事なところのみを抜き出すと「事業者の過失の有無に関わらず解除できる条文が契約書にあっても、この条文は消費者契約法第10 条(消費者の利益を一方的に害する条項の無効)によって無効とする主張が可能」と書かれています。

    一般社団法人自動車公正取引協議会

    一般社団法人自動車公正取引協議会のAFTCコンシューマーレポートに下記相談とアドバイスが書かれています。

    1. 相談内容(一般消費者からの相談)
      先日、買取り店に出向いて手持ちクルマの買取り査定を受けた。 その際、担当者から「買取後、クルマをオークションに出品して売却することになるが、その売却先(落札店)においてクルマの状態をチェックした際に機能上の不具合や瑕疵が見つかった場合には、そのクレームを解決するための費用(クレーム費用)が発生するので、万が一のために、そのクレーム費用を保障(免責)する保険に入りませんか」と言われた。 このような保険に入る必要があるのか知りたい。
    2. 問題点
      買取り店がオークションで買取り車両を売却後、そのクルマに不具合等が見つかった場合に発生する損害を、売主に転嫁している点
    3. 相談者への回答
      買取り店は買取り査定の際に車両の状態を十分に確認し、その上で買取り額を算出しています。 プロとしてチェックしているのですから、万が一、不具合や瑕疵の見落としがあった場合、その責任は特段の事由がない限り買取り店にあると考えられます。 このような考え方からすれば、相談内容にあるようなクレーム費用を保障するための保険にユーザーが加入する必要はないものと考えられます。しかしながら、売主が走行距離や修復歴等について、買取り店に対して虚偽の申告をした場合は、売主の責任を問われる場合もあり得ますので、買取り店にきちっと説明し、その上で買取り査定をしてもらうことも大切です。

    ※出典:一般社団法人自動車公正取引協議会の買取に関するトラブルより

    カンタンにまとめると下記の通りです。

    車売却時の瑕疵担保責任と保証加入

    • 車両に「隠れた瑕疵」があった場合、事業者は消費者に対し、瑕疵担保責任に基づいて損害賠償および契約解除を求めることができる。
    • 修復歴などが発見できないのは事業者の過失でもあるため、瑕疵担保責任は要求できない
    • 消費者契約法第10 条(消費者の利益を一方的に害する条項の無効)によって無効とする主張が可能
    • クレームガード保証やクレーム安心保証は加入する必要がない
    • ただし、嘘(虚偽)の申告をすると、責任を問われる可能性がある

      つまり、原則、瑕疵担保責任を認められず、クレームガード保証やクレーム安心保証は加入する必要がないということになります。

      クルサテ
      ガリバーやビッグモーターの公式サイトにも書かれていないのは、おそらく上記理由があるからだよ。

      注意:修復歴・事故歴の嘘はNG

      民法で定められているぐらい、大きなモノを売るということは重い責任があるということ。

      一般社団法人自動車公正取引協議会でも「売主が走行距離や修復歴等について、買取り店に対して虚偽の申告をした場合は、売主の責任を問われる場合もあり得ます」と書かれています。

      つまり、修復歴などを隠して買取された場合は、もちろん瑕疵担保責任を追及されます。

      なので、まず分かっている事故歴や修復歴、故障は必ず申告してください。

      査定額が下がるため、隠したくなる気持ちはわかりますが、余計に損害賠償など面倒なことになり兼ねないためオススメできません。

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      後から減額請求された場合の対処法

      ガリバーやビッグモーターのクレームガード保証や安心保証を加入していないと、後から減額請求が不安になると思います。

      買取業者側の減額の言い分は「瑕疵担保責任」の追及です。

      ましては、買取業者側も知識が無い人もおり、例えクレームガード保証やクレーム安心保証に加入していても、瑕疵担保責任を武器に減額要求してくる店舗もあります。

      下記はビッグモーターの人と思われる人の書き込みです。

      ただ、国民生活センターや一般社団法人自動車公正取引協議会のアドバイスに合った通り、原則減額に応じる必要はありません。

      しっかりと強気で下記を伝えるようにしましょう。

      減額要求時の回答例

      • 「修復歴などが発見できないのはあなた側の過失であり、瑕疵担保責任は要求できない」
      • 「消費者契約法第10 条(消費者の利益を一方的に害する条項の無効)によって無効とする主張が可能」

        コチラが弱気でいると、弱みに付け込み減額要求をされます。

        しっかりと知識をもって、しっかりこちらの言い分を要求しましょう。

        カー君
        下記の人も突っぱねたことにより、減額が免れています。

        買取業者側も分かっているため、こちらが強くに出ると引っ込んでくれることが多いです。

        しっかりと強気で交渉をしましょう。

        最初から減額しない買取業者に頼むのも手

        最初から減額をしないという買取業者に頼めば、これらの心配をする必要がありません。

        例えば、カーセブンは、後からの減額はしないと言い切っています。

        カーセブン買取安心宣言

        ※出典:カーセブン

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        また、オートバックスでも後からの減額はしないと言い切っています。

        オートバックス 7つのお約束

        ※出典:パンダ店長が教える車買取・中古車購入バイブルより

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        また、今回の調査でTwitterなどを見ると下記傾向がありました。

        買取業者名 減額
        カーセブン なし
        オートバックス なし
        カーチス なし
        トヨタの車買取(旧T-UP) なし
        アップル なし
        ネクステージ なし
        ユーポス あり(※店舗による)
        ラビット あり(※店舗による)
        ガリバー あり(※店舗による)
        ビッグモーター あり(※店舗による)
        クルサテ
        ただ、1社だけの査定だと足元をみられた査定になるから高く売れないよ!できれば、安心できる買取業者複数社に査定依頼することをオススメするよ!

        カーセンサーの車一括査定を使うのも手

        車一括査定のカーセンサーを使うと、買取業者を自分で選択して複数社に一度に査定依頼ができます。

        車一括査定とは、あなたの住所や車種情報を入れると、お近くの買取店が自動的にピックアップされて、複数の買取店に査定依頼が同時に行えるサービス

        車一括査定の流れ

        クルサテ
        カーセンサーは下記のように、減額がないカーセブンやオートバックスに依頼できるよ!
        車買取店 カーセンサー ズバット車買取 カービュー ナビクル
        1.ガリバー ×
        2.ビッグモーター
        3.ラビット
        4.T-UP × × ×
        5.アップル
        6.カーセブン
        7.ユーポス ×
        8.カーチス
        9.ネクステージ
        10.オートバックス
        提携業者数 10社 9社 9社 8社

        ※3月19日現在の調査結果

        クルサテ
        さらに、カーセンサーはガリバーやビッグモーターを外すこともできるんだ!

        4業者がマッチング

        カーセンサーで4社がマッチング

        2業者に絞り込み

        2社に絞り込み

        買取業者を自分で選択可能

        複数社に査定依頼してもらうことで、修復歴の発見ミスを少なくなります。

        さらには、買取業者も買い取りたいため、競争が生まれて買取額が高くなります。

        つまり、車一括査定を上手に使うと安心して、さらに高く売ることが可能というわけです。

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        ※メール連絡を希望しても電話が掛かってくる業者はあります。

        車一括査定については、下記記事で詳しく解説しています。

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        まとめ

        • ガリバーやビッグモーターのクレームガード保証や安心保証は加入する必要なし
        • 売主は契約不適合責任(旧瑕疵担保責任)を負う必要があるが、車査定時は適応されない可能性が高い
        • 後から減額請求されたら、強気で交渉するべき
        • 車一括査定「カーセンサー」を使えば、減額請求しない買取業者のみに複数社依頼できる
          目次