新車に比べて価格が安いとされる中古車であっても、現金一括で購入できるという方はあまり多くありません。
そこで「自動車ローン」の利用を検討している方が多いのも事実です。
ローンを組んで中古車を購入する場合、一つ大きな悩みどころとなるのが頭金の存在。
- 中古車を買う時に頭金は絶対に必要?
- ローンで中古車を購入する場合頭金の相場を知りたい
- 頭金が有るのと無いのとでは何が違うの?
今回の記事では、上記のような悩みや疑問を解決するため、中古車購入で利用する自動車ローンの頭金について解説します。
頭金0円のいわゆるフルローンで中古車は購入できるのか、用意する頭金の額によって返済にどう影響するかなど、さまざまなシミュレーションをもとに頭金に関する多くの疑問にお答えしていきます。
中古車購入でローンを組む時の頭金の相場は?頭金がなくてもローンは組める?
「頭金がいくらでなければいけない!」という決まりは無く、ローンが通って月々の返済が可能であるならば頭金は0円でも問題ありません。
では、ある程度貯金があり、まとまった頭金が用意できるという場合、果たして頭金はいくら用意するのが適正なのか?という疑問が生まれます。
また、購入金額の一部とは言え、頭金はそれなりにまとまった金額になるため、いつまでに支払うのか気になるところです。
そこで、ここからは頭金の相場と支払いのタイミングについてお話していきます。
頭金の相場は総額の20%~30%
中古車の購入で頭金を用意する場合の相場は、総額の20%~30%と言われています。
例えば、総額100万円の中古車なら20万円~30万円、総額200万円の中古車なら40万円~60万円となります。
頭金にいくらという決まりがないのになぜ?と思ってしまうかもしれません。
総額の20%~30%というのは、ローンの審査に通りやすくなるとされている金額なのです。
もちろん、ローンの審査は年収や勤続年数、過去の信用情報など、あらゆる情報をもとに審査されるため、総額30%に当たる頭金を用意したからといって、必ず審査を通る保証はありません。
しかし、購入後の支払いを楽にし、少しでもローン審査が不安という方は、購入総額の20%~30%を頭金として支払えるようにしておくと良いでしょう。
頭金が無くても中古車のローンで購入はできる
頭金があるに越したことは無いとわかっていても、経済的にあまり余裕が無く頭金を用意できない方もいらっしゃると思います。
結論から申し上げると、頭金が無くても中古車をローンで購入することは可能。
ただし、誰でもどんな中古車でも頭金なしのフルローンで購入できるわけではありません。
「購入する中古車の支払総額」「購入する人(あなた)の職業や年齢」などによって、フルローンで購入できるか否かは大きく左右されます。
また、中古車を購入する際、当然現金一括で購入することが理想かもしれませんが、中古車と言っても安い買い物ではないため、ローンを組んで購入される方がほとんどです。
中古車で利用できる自動車ローンは2種類
中古車の購入で利用できる自動車ローンは、以下の2種類に大別することができます。
中古車で利用できる自動車ローン
- 販売店で利用する信販系ローン
- 農協や銀行などのマイカーローン
どちらも月々の支払いが発生するローンですが、それぞれによって特徴やメリット、デメリットが異なります。
これから中古車の購入をお考えの方は、ローンの種類と特徴をよく理解し、無駄のない返済計画を立てることが何より大切です。
下記より、それぞれのローンの特徴をご紹介しますので、中古車購入を実現させる第一歩として参考にしてください。
ローン1.販売店で利用する信販系ローン
ディーラー系中古車販売店や一般の中古車販売店で、ローンの申込みを行うのが信販系ローン。
信販系とは、信用販売を仲介する会社のこと
ユーザーに代わって商品(中古車)の代金を立替えて販売店に支払い、ユーザーは契約で定めた方法で信販会社に分割で返済します。
信販系ローンの特徴やメリットは、比較的審査が緩く、販売店でローンの審査や契約ができる手軽さです。
デメリットとしては、販売店側で特別なキャンペーンを行っていない期間は、銀行系ローンに比べて金利が高く、たとえ数%の違いでも、最終的な支払い金額に大きな差が生じます。
ローン2.農協や銀行などのマイカーローン
農協や銀行といった金融機関では、車の購入、車検、メンテナンス費用にも使えるマイカーローンが用意されています。
上記の信販系ローンは、信販会社が販売店に代金を払うのに対し、マイカーローンは申し込んだ金額をユーザーに融資し、支払いはユーザーが行うことになり、同じように思えるローンでもまったくの別物。
マイカーローンの特徴やメリットは、とにかく金利が低く、車の購入以外にも、購入に付随する内容であれば利用できることです。
デメリットとしては、契約は販売店ではなく各金融期間に直接出向かなくてはならないことと、金利が低い分審査が厳しいことが上げられます。
頭金0円でも中古車購入するときの4つの注意点
頭金を用意せず中古車を購入すると、いくつかのデメリットやリスクが伴います。
そのデメリットやリスクをまとめると、
頭金0円で中古車を購入する際の4つの注意点
- ローンの審査に落ちやすくなる
- 高額な中古車が買いにくい
- 返済期間が長くなる
- 支払総額が増える
といったことが懸念されます。もちろん、だからといって頭金0円が絶対にダメというわけではありません。
頭金が用意できないのであれば、とにかく無理のない金額の中古車を選ぶことが大切です。
では頭金0円のフルローンでも無理のない金額はいくらか?ということになりますが、金利が8%でも月々の返済額が2万円程度に抑えるため、総額100万円程度に抑えると良いでしょう。
後ほど100万以下で買えるオススメの中古車をお伝えします。
頭金支払いのタイミングは納車までが基本
支払総額の20%~30%とは言え、やはり頭金はある程度まとまった金額を支払うことになるため、やはり支払いのタイミングが気になるとろです。
頭金の相場と同様に、頭金を支払うタイミングに決まりはありませんが、一般的には納車の前までに支払うことになります。
もちろん、販売店によって頭金の支払いタイミングを指定されることがありますが、多くは「契約から◯日以内」や「納車から◯日以内」に支払うことがほとんどです。
自動車業界に長く身を置く筆者の経験では、契約後数日以内に振り込むという方が多く見受けられます。
無理をする必要はまったくありませんが、すぐ振り込めるという方は期日に関係なく頭金を振り込んでおくと安心です。
頭金があればローンが通りやすくなるというメリットもある
ローンの種類によって金利や審査の厳しさなどに違いがありますが、審査に通りやすくする効果的な方法は頭金を多めに用意することです。
信販会社や銀行などの金融機関は、立替えまたは融資したお金がきちんと返済されるかということを審査しています。
300万円貸すよりも、当然100万円を貸す方が回収できる確率が高いため、頭金をできる限り多く用意しておけば、必然的に審査が通りやすくなるのです。
また、ローンを組む金額が低くなれば金利分の金額も低くなるため、月々の返済と支払総額を抑えることもできます。
では、現在貯金が50万円あるという方が、貯金のすべてを頭金として支払ったほうが良いのかと言うと、そうとは言い切れません。
頭金をいくら入れるかはバランスが大切
審査に通りやすくなり、支払総額も低くできるのであれば、今ある貯金をすべて使いたくなりますが、中古車購入の頭金のために貯金を使い込むことは避けましょう。
車を快適に、そして安全に使用するためには、装備の充実した価格の高い中古車を買うことよりも、購入後のメンテナンスや車検、任意保険などの維持費を十分シミュレーションしておくことが大切。
車を維持していくためには、ガソリン代、自動車税(軽自動車税)、メンテナンス代、車検代などさまざまな費用がかかります。
車種や年間の走行距離によって差はありますが、コンパクトカーで年間1万km走行する場合、1年間の費用は約30万円程度で、1か月に換算すると2万5千円です。
この価格にはローンの返済は含んでいませんので、実際には1か月5万円程度出費が増える可能性もあります。
それだけ1か月の出費が増えることをしっかりと考慮しておかなければ、せっかく購入したにも関わらず、カーライフを楽しむことができないどころか、最悪の場合手放さなければならない恐れもあるのです。
また、車は高い買い物であるため、どうしても購入することにフォーカスされがちですが、節約のためにオイル交換を怠ったり、整備費用を削減してしまったりするのは正しい方法とは言えません。
貯金のすべてを頭金にすることはせず、月々のローン返済額と維持費を十分考慮した上で、頭金にどれだけ貯金を使えるか検討することが大切です。
つまり、「頭金ありき」で購入予算を決めるのではなく、さまざまな返済シミュレーションや維持費を考慮し頭金を決めましょう。
ローン金利で負担はどう変わるかシミュレーション
月々のローン返済額や維持費を考慮すると言われても、いまいち実感が沸かないという方も多いのではないでしょうか。
頭金の金額が多ければ借り入れる金額を小さくできるため、金利が低い銀行や農協のマイカーローンが利用しやすくなります。
反面、購入金額に対してあまり頭金が用意できない場合や、頭金0円のいわゆるフルローンの場合は借り入れる金額が大きくなるため、銀行や農協のマイカーローンの利用は厳しくなるでしょう。
銀行や農協のマイカーローンが利用できないとなれば、必然的に審査がゆるい信販系のローンを利用することになりますが、先述の通り信販系ローンの金利はやや高め。
- 銀行や農協が提供するマイカーローンの金利は平均1.5%~3.5%
- ディーラーや販売店で取り扱われている信販系ローンの金利は平均6~8%
たかだか数%の違いと思われるかもしれませんが、中古車は決して安い買い物ではないため、数%の差を侮ることはできません。
下記には、100万円の中古車を5年間(60回払い)でローンを組んだ場合、信販系ローンとマイカーローンでどの程度差額が出るのかを比較した表を作成しましたので御覧ください。
ローンの種類 | 元金 | 金利 | 月々返済額 | 利息 | 総支払額 |
---|---|---|---|---|---|
マイカーローン | 200万円 | 2.50% | 35,495円 | 129,683円 | 2,129,683円 |
信販系ローン | 200万円 | 8.00% | 40,553円 | 433,167円 | 2,433,167円 |
※上記シミュレーションは元利金等方式で試算
金利が5.5%違うだけで、1ヶ月の返済額が約5千円、5年間に支払う総額が約30万円も違い、たとえ数%の違いであっても、自家用車を維持していく上では無視のできない差になるのです。
また、頭金を多くし借り入れる金額が小さくなることで、当然ながら月々の返済額は大きく違います。
次の項目では、借り入れる金額によって月々の返済がどの程度違うのかについても、シミュレーションしていきましょう。
頭金の違いで月々の返済がどう変化するのかシミュレーションしてみる
月々の負担に影響を与える要素は、先述したローン金利だけでは無く、いくらのローンを組むかということが重要になってきます。
「そんなの当り前でしょ!?」と思われるかもしれませんが、実際に月々の支払いが始まると、数千円の差は意外と大きいものです。
そこで、後から後悔することが無いよう、頭金の違いでどれほど月々の支払額が変わってくるのか、下記の表でシミュレーションしていきましょう。
条件は金利を比較したときと同様に、200万円の中古車を購入し金利は8.0%、頭金0円、50万円、100万円という3つのパターンを比較していきます。
頭金 | 購入予定額 | 借入額 | 金利 | 月々返済額 | 利息 | 総支払額 |
---|---|---|---|---|---|---|
頭金0円 | 200万円 | 200万円 | 8.00% | 40,553円 | 433,167円 | 2,433,167円 |
頭金50万円 | 200万円 | 150万円 | 8.00% | 30,415円 | 324,875円 | 1,824,875円 |
頭金100万円 | 200万円 | 100万円 | 8.00% | 20,276円 | 216,584円 | 1,216,584円 |
※元利金等方式で60回均等払いという条件で試算
上記のシミュレーションでは、信販系ローンの平均的な金利である8%で計算していますが、もっと金利の低いローンを利用できれば、月々の負担を更に小さくできます。
とは言え、上記でもお話しましたが、貯金をすべて頭金にするような無理をせず、収支のバランスを考慮しながらいくらの頭金が用意できるか考えることが大切です。
ローンを組むなら100万以下の中古車がオススメ
前述しましたが、ローンを組むなら100万以下の中古車がオススメです。
「総額100万円の中古車なんて……」と思われるかもしれませんが、安心できる販売店で、しっかりと選べば、きっとあなたが満足できる1台に出会うことができます。
そこでここからは、2025年1月時点で、大手中古車情報サイトであるカーセンサーに掲載されている中古車の中から、筆者がオススメする100万円以下で購入できる中古車をご紹介していきます。
100万円以下のオススメ中古車その1:スズキ イグニス
※出典:カーセンサーnet
個性的でコンパクトな外観を持つスズキ イグニスの特徴は、お買い得な価格でありながら、ISG(モーター機能付き発電機)を備えたマイルドハイブリッドであるということです。
サンプルとしてご紹介したMGというグレードのJC08モード燃費は28.8km/Lで、維持費に大きく影響するガソリン代を節約も期待できます。
また、最低地上高1,800mmというSUV風の高い車高も個性的で、賢く節約しつつ人とは違う個性を大切にしたい方にはオススメできる1台です。
100万円以下のオススメ中古車その2:スバル インプレッサ
※出典:カーセンサーnet
スバルのアイデンティティでもある水平対向エンジンと、左右対称で理想的な重量配分を実現したシンメトリカルAWDのもたらす高い走行安定性は、100万円を切る中古車であっても健在。
1.6Lのエンジンは決してパワフルでは無いものの、街なかでの使用なら特別力不足を感じることはありません。
また、ステーションワゴンの使い勝手の良い室内と、駆動力に富んだ4WDシステムを持ち、スキーやスノボー、サーフィンなど、アウトドアレジャーに出かける方には買って損のないモデルです。
100万円以下のオススメ中古車その3:ホンダ N-BOX
※出典:カーセンサーnet
ホンダ N-BOXに限らず、もともと価格がお手頃な軽自動車であれば、総額100万円以下で購入できる車種を豊富に見つけることができます。
そんな軽自動車の中でも、N-BOXはホンダ独自のセンタータンクレイアウトを採用し、軽自動車の中ではトップクラスの車内空間を持っていることが大きな特徴です。
昨今、維持費と販売価格の安さから、軽自動車の人気が高まり、中古車市場に置いては安価な普通車を上回る価格で販売されている車種が多くなっています。
軽自動車だから安く購入できるだろうと決めつけることなく、じっくりと探すことが安くて納得できる軽自動車の中古車を購入するためのポイントです。
\優良中古車を探す裏ワザ/
- 中古車は千差万別、相場よりも高い車や故障車が存在
- 優良な中古車は市場に出回らず、普通に購入しても手に入らない
- 優良中古車は状態もよくコスパが良い
一般の人では、優良な中古車は手に入れることができません。
ただし、中古車提案サービスを使うと、市場に出回らない優良な中古車を優先的に紹介してもらえます。
中でもオススメなサービスが「ズバット車販売」です。
※提案してもらうだけでOK、必ずしも購入する必要はありません。
\下取りよりも30万以上高く売れるかも!?/
- 車を高く売るならディーラーの下取りはオススメできない
- 車買取業者1社だけでは足元を見られた査定をされる
- 複数の買取業者を競争させれば相場よりも高く売れる確率が高い
車一括査定を使うと、あなたの下取り予定の車に得意な買取業者が複数社見つかります。
業者同士が競い合うため、特に交渉せずとも愛車を高く売ることができます。
※必ずしも売る必要はありません。相場をチェックするだけOKです。
まとめ
中古車は頭金0円のフルローンでも購入することが可能ですが、用意できるのであればいくらかでも頭金として支払っておいて損はありません。
ですが、頭金として貯金をすべてつぎ込むことはオススメできませんし、購入後の維持費についてもローンの返済と併せてしっかりと計画を立てておくことが大切です。
根気よく探せば、フルローンで購入しても負担の少ないお買い得な中古車は数多く流通しています。
あなたも今回の記事を参考に、お買い得で納得できる中古車を探してみてはいかがでしょうか。