中古車を探していると「法廷整備」ってあるけど必要なの?

中古車の法廷整備を全解剖

最終更新日:2019年5月15日

中古車の法廷整備を全解剖
中古車を購入しようと中古車情報サイトや中古車販売店を見ていると、「法定整備付き」や「法定整備別」、さらに「法定整備無し」という言葉を目にします。

 

買って損のない中古車を買いたい、安心安全な中古車が欲しいなど、せっかく中古車を購入するのであれば、あとで後悔しない満足度の高い車を購入したいもの。

 

そんな高い意識を持ったあなたは、中古車の法定整備に対して以下のような悩みや疑問をお持ちではないでしょうか?

  • 中古車の法定整備ってなに?
  • 法定整備付きと法定整備無しの違いを知りたい
  • 法定整備と車検は何が違うのか知りたい
  • 法定整備付きと法定整備別はどっちがお得なの?

中古車といえども決して安い買い物ではありません。

 

今回の記事では中古車の法定整備について、国家資格整備士と自動車検査員の資格を持つ筆者が詳しく解説していきます。

 

中古車と法定整備の関係を知っていただき、購入後も安心して使える安全な中古車に出会うための参考にしてください。

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車検・点検・整備は別物

中古車情報サイトはもちろん、車に関する情報を見ていると、「車検」「法定点検」「法定整備」など似たような言葉が並び、なんとなく同じような意味で捉えている方が多いかもしれません。

 

しかし、車に関するそのような用語には明確な意味があり、なんとなく同じような意味として理解しているだけでは少々危険です。

 

そこで、損をせずお得に中古車を購入するための基礎知識として、「車検」「点検」「整備」という3つの用語について解説していきます。

 

車検とは国が行う確認作業

車検の正式名称は継続検査と言い、その車が日本国内の道を安全に走行できるかを国が検査し確認する作業です。

 

国が行うとは言いましたが「え?近くのガソリンスタンドに出してるよ?」「いつも購入したディーラーにお願いしているけど?」という方がほとんどだと思います。

 

詳しくは後述しますが、原則として国(その時の国務大臣)が検査することになっていますが、当然そんなことはできるわけも無く、実際には各都道府県にある陸運支局や指定工場で検査を行っているのです。

 

車検(継続検査)では、国が定めた最低限の安全基準である"保安基準"に、その車が適合しているかが検査され、すべての基準をクリアーすると、車検証(自動車検査証)の有効期限が継続されます。

 

そして、公道を走行するためには有効な車検証の携行が法律により義務付けられていますので、必然的に車検を受けて合格しなければその車を使い続けることができません。

 

"車検合格=安全"ではない

車検でポイントとなるのは、検査されるのは最低限の安全基準でしかないことと、検査されるその瞬間に基準をクリアーしていれば良いということです。

 

極端な言い方をすれば、安全に欠かせないブレーキパッドの残量は0.1mmであっても、定められた制動力(ブレーキの力)さえ出ていれば車検は合格できます。

 

しかし、車検が終わった翌日にブレーキパッドが完全に無くなり、ブレーキが正常に作動しないといったことも十分考えられるのです。

 

つまり、車検とはあくまで車検証の有効期限を更新(継続)するためだけの確認作業であり車検に合格したから100%安全ということではありません。

 

点検とは人間に例えるなら健康診断

多くの方は、勤め先の会社や近所の病院などで、年に1度の健康診断を受けていると思います。

 

健康診断を受けることで、日々の生活では気がつかなかった体の不調や異変に気づくことができるため、現代人の私達にとって健康診断は欠かせませんが、それは車も同じです。

 

普段何気なく使い続けていると、ほんの僅かな異変や、目に見えない不具合に気がつくことはできず、車は言葉を話すことが出来ないため一般の方が気づくことはほぼ不可能。

 

そこで、定期的に整備工場で点検することで、目に見えない不具合や将来大きな故障に発展する恐れのある不具合を発見することが可能です。

 

きちんと下点検を行うことで、安全を確実に保つことができるのはもちろん、買い替え時期の見極めなどにも有効な判断材料を得ることができます。

 

整備とは必要に応じて行う作業

一般的に整備とは、上記の検査や点検の結果を受け、保安基準不適合箇所や不具合のある箇所を修理、交換、調整する作業のことです。

 

また、点検の結果を受けて行う整備の中には、将来大きな故障に発展する恐れがある箇所を整備する"予防整備"があります。

 

中古車を購入する際、多くの方が心配されるのが「購入後すぐに壊れることはないか?」ということ。

 

予防整備はそんな不安を小さくすることに加え、費用の面でも大きく影響するポイントなのです。

 

そこで、しっかとした点検を受け、予防整備を含めた必要な整備をきちんと行うことで、納車直後の故障を防ぐことになり、結果的に安心安全へと繋がります。

 

もちろん、数万点以上の部品で構成されている車を、100%一度の点検で見極めることは不可能ですが、確実な整備は、安全や安心のために決して欠かすことのできない作業なのです。

 

中古車の法定整備について

今回の記事でテーマになっている「法定整備」とは、読んで字のごとく法律で定められた整備を指します。

 

法律で定められた整備と言われてもあまりピンときませんが、中古車販売時に用いられる法定整備とは、12か月点検や24か月点検といった、いわゆる法定点検と共に行われる整備ということです。

 

法定点検と呼ばれる12か月点検や24か月点検では、国が定めた「自動車点検基準」に則って点検項目が決められており、車種やメーカーを問わず同じ内容の点検を行います。

 

また、法定点検を伴う法定整備では、ブレーキなどの重要保安部品の分解点検作業が含まれており、国家資格整備士がいる指定工場、もしくは認証工場でしか実施することができません。

 

したがって、普段は見ることができない箇所や、安全上重要な箇所を点検し整備することになり、法定整備が実施されている中古車は、より安全安心な中古車であると言えます。

 

法定整備付き中古車と法定整備別の中古車はどっちがお得?

法定整備付き中古車と法定整備別の中古車はどっちがお得?
カーセンサーやグーと言った大手中古車情報サイトに掲載された中古車には、「法定整備付き」と「法定整備別」、さらに「法定整備無し」という3種類があります。

 

これから中古車の購入を検討している方にとっては、その3種類の中古車が、具体的にどう違うのか非常に気になるポイントではないでしょうか。

 

そこでここからは、「法定整備付き」「法定整備別」「法定整備無し」という3種類の中古車についてお話していきます。

 

まずもっとも違う点は、法定整備にかかる費用が含まれているかどうかということです。

 

法定整備付きという中古車は、車両価格に法定点検とその整備に必要な費用が含まれています。

 

一方、法定整備別や法定整備無しの場合は、車両価格に法定点検や整備に必要な費用は含まれていません。

 

そして、法定点検や整備を実施するかどうかという点にも違いがあります。

 

法定整備付きや法定整備別という中古車は、納車前に法定点検や整備を実施しますが、法定整備無しの場合は、法定点検と整備は実施されません。

 

以上の内容を下記表にまとめましたので、中古車購入時の参考にしてください。

項目 法定整備付き 法定整備別 法定整備無し
法定点検及び整備 あり あり なし
追加料金 なし あり なし

やはり中古車を購入する場合、少しでも価格が安い方が良いのは当然ですので、単純に価格だけで言えば、法定整備無しの中古車が一番お得です。

 

しかし、購入した中古車を快適に使い続けていくためには、安全であるという安心感が欠かせない要素。

 

では、本当の意味でお得な中古車を求めた場合、「法定整備付き」「法定整備別」「法定整備無し」という3種類のうち、どの中古車を選べばよいのでしょうか?

 

そこで次の項目では、法定整備の「アリ・ナシ」で、どのような違いがあるのかについて解説していきます。

 

安心安全を求めるなら法定整備付き中古車がお得

自動車整備士として車業界に20年以上お世話になっている筆者としては、やはり法定整備付きの中古車がオススメです。

 

法定点検や整備は、資格を持った整備士と整備工場で実施されるため、必ず工賃や点検料が発生するため、これから販売される中古車であっても点検や整備の費用はかかります。

 

つまり、法定整備付き中古車の価格には予め法定点検と整備費用が含まれており、法定整備別や無しの中古車と比べて、やや割高になっていることも珍しくありません。

 

高くなるなら損では?と思われるかもしれませんが、安全は車を使用していく上でもっとも大切な要素であり、単純に金額で測ることは不可能です。

 

また、法定整備代として上乗せされている金額は高くとも数万程度(1~2万円がほとんど)で、明らかに高すぎると感じることはほぼないでしょう。

 

もちろん、購入費用が安いに越したことはありませんが、初期投資として数万円以内で安心が手に入るのであれば、決して高くない金額なのです。

 

法定整備別または法定整備無しの中古車は車両の状態をくまなくチェック

先述したように、中古車により確実な安全と安心を求めているのであれば、法定整備付きの中古車がオススメですが、法定整備別や法定整備無しの中古車が絶対にダメというわけではありません。

 

ただし、1つ気をつけていただきたいのは、どちらも車両の状態をよく確認した上で購入を判断するということです。

 

法定整備別の中古車は、原則として納車までに法定整備は実施されますが、車両価格に法定整備代が含まれていないため、法定整備代も含めた見積を確認しましょう。

 

万が一数万円を超えるような法定整備代が計上されてしまったら、整備内容と金額が妥当であるかを販売店に確認しておくと安心です。

 

また、法定整備無しの中古車は、ブレーキを始めとした安全に欠かせない箇所の点検を行わないため、年式が古く走行距離が多い場合はオススメできません。

 

逆に、新車と比べても遜色のないいわゆる未使用車等の場合は、法定点検を行っていなくてもそれほど心配する必要がなく、お得に購入することができます。

 

法定整備別、法定整備無しの中古車を購入する場合には、車の状況をよく観察し安全上問題がないか、金額がだとうかということを確認することが大切です。

 

法定整備を自分で依頼する方法

法定整備を自分で依頼する方法
法定整備付きの中古車がお得で安心ということがわかっていても、必ずしもあなたの希望にあった中古車に法定整備が付いているとはかぎりません。

 

年式や距離、グレード、ボディカラーなど、限りなく希望に近い中古車に出会ったのであれば、例え法定整備無しであっても購入するべきとも言えます。

 

しかし、それでは安心して乗ることはできないため、購入した後にご自身でお近くの整備工場に法定点検と整備を依頼しましょう。

 

下記の表は、関東にある国産車ディーラーに、法定点検(12か月点検)を依頼した場合の料金です。

項目 軽乗用車 5ナンバー 3ナンバー RV・1BOX
12ヶ月点検基本料金 \8,640 \9,566 \11,726 \14,400
日常点検 \1,550 \1,550 \1,550 \1,550
合計 \10,190 \11,116 \13,276 \15,950

いかがでしょうか?

 

一般的に工賃が高いと思われがちのディーラーであっても、法定点検(12か月点検)の点検料はそれほど高額ではないのです。

 

もちろん、保安基準に適合しない箇所や、こちらから依頼した整備項目の料金は別途必要ですが、上記の料金程度で安心が手に入るのであれば、購入後に改めて法定点検依頼しても損はありません。

 

また、点検整備に掛かる時間は、特別大掛かりな修理が必要なければ、半日~1日程度で完了させることができるため、時間的な負担も小さく済みます。

 

あなたが購入したいと思った中古車が、万が一法定整備無しであった場合でも、僅かな手間と出費で安心を手に入れられるため、販売店以外の整備工場で法定点検と整備を行うことがオススメです。

 

法定整備は資格を持った整備工場で!

法定点検や整備を依頼する際、注意していただきたいのは、どんな整備工場でも法定点検ができるわけではないということです。

 

先述したとおり、法定整備には重要保安部品であるブレーキの分解作業が必須であり、実際の作業は国家資格整備士が行い、依頼をするのは認証工場か指定工場で無ければいけません。

 

一般的な新車ディーラーや街の整備工場なら、ほぼ間違いなく認証工場か指定工場になっていますが、一部のガソリンスタンドやカー用品店などではそれらの資格を持っていない場合があります。

 

認証や指定の資格を持っていないことが悪いことでは無く、あくまでそこの整備工場では、ブレーキを始めとした重要保安部品の整備を行う必要がないということです。

 

したがって、中古車の購入後に、法定点検や整備を依頼する場合は、認証か指定の資格を持った整備工場に依頼するようにしましょう。

 

では実際に購入後点検整備を依頼するのは、認証工場と指定工場どちらが良いのか迷ってしまうかもしれません。

 

さらに、認証工場と指定工場について、工場のランクと勘違いされてしまうことがあるため、下記では認証工場と指定工場についてお話していきます。

 

認証工場

まず、後述する指定工場と比べて、整備工場のランクが低いと勘違いされることのある認証工場ですが、決してそんなことはありません。

 

認証工場とは、一定の設備と国家資格整備士を揃えた整備工場であり、ブレーキの分解やエンジンの脱着といった重要保安部品の整備作業を行うことのできる整備工場です。

 

認証工場として認可されるかどうかは、設備は人員の人数で決まるため、整備技術そのものは全く関係ありません。

 

当然、違法な整備や、明らかな重大ミスを犯してしまった場合は、認証工場としての資格停止といった重い処分を受けることがあり、公的機関の厳しい目で管理されています。

 

認証工場は整備士資格を持った整備士と確実な点検整備が行える設備を有している整備工場です。

 

指定工場

指定工場とは、読んで字のごとく国から指定を受けた工場という意味です。

 

何を指定されているのかと言うと、本来陸運支局で行う検査(車検)を国に変わって実施し、車検証の代わりとなる"保安基準適合標章"を発行することができる工場として指定されています。

 

指定工場では、上記の認証工場と同等の設備に加え、検査を行う"完成検査場"を備え、さらに定められた国家資格整備士のほかに、みなし公務員である自動車検査員を専任しなくてはいけません。

 

本来国が行う検査を代行するにあたって、指定を受けるまでにはかなりの設備投資と高いハードルを超える必要があり、比較的規模の大きな整備工場が多く見受けられます。

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まとめ

中古車の法定整備は、購入後安心して中古車を使用する上でとても大きな意味を持ちます。

 

また、その場その時に基準をクリアーしているかを確認するだけの車検に比べ、ブレーキやエンジンといった安全に直結する箇所を入念に点検。

 

基準に適合しない箇所はもちろん、将来大きな故障につながる可能性を持った箇所をあぶり出すことができ、車検に合格しただけの車よりも安全が確保されていると言っても過言ではありません。

 

そのため、これから中古車の購入を検討しているならば、ぜひ法定整備付きの中古車をオススメします。

 

ただ、新車と比べて遜色のない未使用車なら、法定整備を行わなくともそれほど心配いりませんし、法定整備が付いていない中古車でも、それほど費用をかけず後から法定点検と整備をうけることが可能です。

 

どんな中古車を購入する場合でも、あなたが安全に対して高い意識を持っていることが何よりも重要ですので、今回の記事を参考に安全安心な中古車を見つけてください。

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