車は持っているだけで税金が掛かります。
その代表格が「自動車税」や「自動車重量税」。
あまり気にしていない方も多いと思いますが、「自動車税」「自動車重量税」は前払いしています。
- 自動車税:4月~翌年3月までを5月頃に納付する
- 自動車重量税:購入時や車検更新時に次の車検までの自動車重量税を納付をする
そこで、本記事では車を売却した時に前払いしている自動車税や自動車重量税や支払わないといけない税金についての疑問を解説しています。
車を売却した時に税金を支払うケースと還付されるケース
車には様々な税金が掛かっています。
つまり売買した時にはそれらの税金を精算する処理をいくつかする必要があります。
車売却時に支払う可能性がある税金
- 自動車税
- 所得税(※主に法人や個人事業主など)
車売却時の還付される可能性がある税金
- 自動車税※
- 自動車重量税※
※売却時の還付は法的に決まっていません。あくまでも通例です。
※廃車にする場合は、国から還付される制度になっています。
この中で一番精算対象になるのが、自動車税ですので、ここを中心に説明していきます。
自動車重量税は、還付されないことが多く、所得税は個人が普通の車を売るのであれば、該当しないので読み飛ばして頂いてOKです。
①自動車税
- 支払い可能性あり:4月~5月中旬ごろに売却かつ自動車税を納付していない場合
- 還付される可能性あり:5月以降の売却かつ自動車税を納付した場合
自動車税は「所有者」に対して掛かってくる税金。
所有者は「車検証の所有者(氏名)」を見ればわかります。
その所有者に対して、毎年5月頃に下記のような自動車税の納付書が送られてきます。
自動車税は、4月~翌年3月までの税金を5月頃に先払いして納付します。
もし、納付書が届く直前(4月~5月中旬ごろ)に売却した時、少なくとも乗っていた分は所有者(あなた)が支払うべき税金ということ。
支払い方はディーラーや買取業者により異なり3パターンあります。
- 1年分をあなたが支払い、残り分を売却先(ディーラーや買取業者)より返金してもらう
- 1年分をあなたが支払い、残り分を売却先(ディーラーや買取業者)の買取額に上乗せしてもらう
- 売却先(ディーラーや買取業者)が支払い、4月分の自動車税分を買取金額から減額する
逆に納付書が届き、自動車税を納付してから売却した人は、残り月数分が還付されるのが通例となっています。
自動車税はいくら支払いor還付される?
まず自動車税は排気量により異なり下記のようにかかります。
車の区分 | 総排気量 | 税額 (2019年9月30日以前) |
税額 (2019年10月1日以降) |
---|---|---|---|
軽自動車 | 660cc | 10,800円 | 10,800円 |
普通自動車 | 1,000cc以下 | 29,500円 | 25,000円 |
1,000~1,500cc以下 | 34,500円 | 30,500円 | |
1,500~2,000cc以下 | 39,500円 | 36,000円 | |
2,000~2,500cc以下 | 45,000円 | 43,500円 | |
2,500~3,000cc以下 | 51,000円 | 50,000円 | |
3,000~3,500cc以下 | 58,000円 | 57,000円 | |
3,500~4,000cc以下 | 66,500円 | 65,500円 | |
4,000~4,500cc以下 | 76,500円 | 75,500円 | |
4,500~6,000cc以下 | 88,000円 | 87,000円 | |
6,000cc以上 | 111,000円 | 110,000円 |
なお、13年を超える車はさらに自動車税が高くなっています。
排気量は車検証を見ればわかります。
上記は4月~翌年3月までの自動車税1年分。
つまり支払っていなかったらその月数分を支払い、逆に先に支払っている場合は残り月数分が還付されます。
ただし、軽自動車の場合は、還付されないのが通例となっています。
税金還付・支払いの計算式
- 還付金額=自動車税÷12ヶ月×残り月数
例1.ホンダ フィット(排気量1.5L)を7月に売却した場合
- 還付金額=36,000円÷12ヶ月×8ヶ月=24,000円
例2.トヨタ ノア(排気量:1.79L)を11月に売却した場合
- 還付金額=36,000円÷12ヶ月×4ヶ月=12,000円
例3.ホンダ ハリアー(排気量:2L)を4月に売却かつ税金が未納の場合
- 支払い金額=43,500円÷12ヶ月×1ヶ月=3,625円
4月~9月に売却した場合
車の区分 | 総排気量 | 年額 | 4月 | 5月 | 6月 | 7月 | 8月 | 9月 |
---|---|---|---|---|---|---|---|---|
軽自動車 | 660cc | 10,800※ | - | - | - | - | - | - |
普通自動車 | 1,000cc以下 | 25,000 | 22,900 | 20,800 | 18,700 | 16,600 | 14,500 | 12,500 |
1,000~1.500cc以下 | 30,500 | 27,900 | 25,400 | 22,800 | 20,300 | 17,700 | 15,200 | |
1,500~2,000cc以下 | 36,000 | 33,000 | 30,000 | 27,000 | 24,000 | 21,000 | 18,000 | |
2,000~2,500ccL以下 | 43,500 | 39,800 | 36,200 | 32,600 | 29,000 | 25,300 | 21,700 | |
2,500~3,000cc以下 | 50,000 | 45,800 | 41,600 | 37,500 | 33,300 | 29,100 | 25,000 | |
3,000~3,500cc以下 | 57,000 | 52,200 | 47,500 | 42,700 | 38,000 | 33,200 | 28,500 | |
3,500~4,000cc以下 | 65,500 | 60,000 | 54,500 | 49,100 | 43,600 | 38,200 | 32,700 | |
4,000~4,500cc以下 | 75,500 | 69,200 | 62,900 | 56,600 | 50,300 | 44,000 | 37,700 | |
4,500~6,000cc以下 | 87,000 | 79,700 | 72,500 | 65,250 | 58,000 | 50,700 | 43,500 | |
6,000cc以上 | 110,000 | 100,800 | 91,600 | 82,500 | 73,300 | 64,100 | 55,000 |
※4月1日までに登録された軽自動車
10月~3月に売却した場合
車の区分 | 総排気量 | 年額 | 10月 | 11月 | 12月 | 1月 | 2月 | 3月 |
---|---|---|---|---|---|---|---|---|
軽自動車 | 660cc | 10,800※ | - | - | - | - | - | - |
普通自動車 | 1,000cc以下 | 25,000 | 10,400 | 8,300 | 6,200 | 4,100 | 2,000 | - |
1,000~1.500cc以下 | 30,500 | 12,700 | 10,100 | 7,600 | 5,000 | 2,500 | - | |
1,500~2,000cc以下 | 36,000 | 15,000 | 12,000 | 9,000 | 6,000 | 3,000 | - | |
2,000~2,500ccL以下 | 43,500 | 18,100 | 14,500 | 10,800 | 7,200 | 3,600 | - | |
2,500~3,000cc以下 | 50,000 | 20,800 | 16,600 | 12,500 | 8,300 | 4,100 | - | |
3,000~3,500cc以下 | 57,000 | 23,700 | 19,000 | 14,200 | 9,500 | 4,700 | - | |
3,500~4,000cc以下 | 65,500 | 27,200 | 21,800 | 16,300 | 10,900 | 5,400 | - | |
4,000~4,500cc以下 | 75,500 | 31,400 | 25,100 | 18,800 | 12,500 | 6,200 | - | |
4,500~6,000cc以下 | 87,000 | 36,200 | 29,000 | 21,70 | 14,500 | 7,200 | - | |
6,000cc以上 | 110,000 | 45,800 | 36,600 | 27,500 | 18,300 | 9,100 | - |
※4月1日までに登録された軽自動車
注意:買取業者の場合は買取金額に含まれていることが多い
お伝えしたように自動車税の還付は通例になっており、法的にルールがあるわけではありません。
多くの買取業者では、買取金額に含まれています。
カーチスの場合
ビッグモーターの場合
ネクステージの場合
カーチスやビッグモーターのように買取金額に含めているところもあれば、ネクステージのように税金還付金だけで分けて出す業者もあります。
廃車にする場合は還付される
なお、ルールとして廃車を行えば、自動車税は還付されます。
廃車は抹消手続きが必要なことから少し面倒です。
自動車重量税
自動車税は前述のように還付などするのが通例となっています。
一方で自動車重量税は、先払いしている税金にも関わらず還付されないのが通例となっています。
理由は、自動車税は「所有者」に対して掛かる税金に対して、自動車重量税は「自動車」そのものに掛かる税金だから。
売却しても、自動車として活用される以上は、税金が掛かるため、還付しないのが通例となっています。
車両重量 | 税額 | 13年以上の税額 |
---|---|---|
軽自動車 | 6,600円 | 8,200円 |
0.5トン以下 | 8,200円 | 11,400円 |
0.5~1トン以下 | 16,400円 | 22,800円 |
1~1.5トン以下 | 24,600円 | 34,200円 |
1.5~2トン以下 | 32,800円 | 45,600円 |
2~2.5トン以下 | 41,000円 | 57,000円 |
2.5~3トン以下 | 49,200円 | 68,400円 |
軽自動車は20%、普通車の場合は39%も増税されてしまうのです。
廃車にする場合は還付される
自動車税と同じく自動車重量税もルールとして廃車を行えば、還付されます。
廃車は抹消手続きが必要なことから少し面倒です。
また、自動車税以外にも還付されるものがリサイクル料金です。
③所得税※主に法人や個人事業主などが対象
車の売却で仮に譲渡所得が出た場合、所得税が課せられる可能性があります。
ただし、車の使用用途が業務やレジャーに使用した車に限ります。
業務やレジャーは「日常生活に必要がないもの」とみなされ所得税がかかるのです。
対して、通勤や買い物など、「日常生活で必要なモノ」とみなされるのであれば、所得税は掛かりません。
ただし、通勤用や買い物などでも嗜好性の高い車は課税対象とされる場合があります。
所得税はいくらかかる?
所得税は、課税所得に対して税金がかかります。
車の売却は一時所得とされ、課税所得は下記で計算できます。
- (所有期間5年以内)課税所得=売却価格-簿価-必要経費-50万円
- (所有期間5年以上)課税所得=【売却価格-簿価-必要経費-50万円】×50%
- 税額=課税所得×税率
※簿価:購入額から減価償却費を引いた金額
※必要経費:車を売却するのに使用した経費
※50万円:一時所得の控除は50万円分
500万円で購入した車を3年使用、10万円の費用を使って400万円で売った場合
- 課税所得=400万円-10万円‐500万円-50万円=-140万円
この場合は、課税所得がマイナスのため、所得税はかかりません。
500万円で購入した車を3年使用、10万円の費用を使って600万円で売った場合
- 課税所得=600万円-10万円‐500万円-50万円=40万円
この場合は、課税所得40万円に対して所得税がかかります。
500万円で購入した車を7年使用、10万円の費用を使って600万円で売った場合
- 課税所得=(600万円-10万円‐500万円-50万円)×50%=20万円
※計算を分かりやすくするために、簿価=売却価格としています。
この場合は、課税所得20万円に対して所得税がかかります。
つまり、購入した金額に比べて50万円以上高く売れない限り所得税は掛かりません。
普通の車の売却であれば、所得税は掛からないと思っておきましょう。
プレミアが付いた旧車やクラシックカーなどの場合は、稀に高くなるケースがあります。
確定申告が必要になる
もし個人の車で売却により譲渡所得が発生する場合は、確定申告を行う必要があります。
確定申告は2/16~3/15までの間(営業日が休日などの場合は前後します。)に行います。
その期間になると、税務署に税理士の資格を持った相談員がいるので、相談して確定申告することをオススメします。
個人事業主や法人の場合は、事業所得などと合わせた損益通算で所得税を支払うことになります。
仮に譲渡損(譲渡所得がマイナス)であれば、その分他の所得を下げられ、結果的に支払う所得税は安く済ませることができます。
詳しくは担当の税理士に相談してみましょう。
税理士ドットコムなどで探すこともできます。
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※必ずしも売る必要はありません。相場をチェックするだけOKです。
まとめ
- 車売却時の税金は、自動車税は還付、自動車重量税は還付なしが通例となっている
- ディーラーや買取業者によって自動車税の還付方法は異なる
- もし、売却したことで利益が出たら、所得税が掛かる可能性がある