車売る時に売買契約書で確認すべき6つのポイントとトラブル回避方法

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車売る時に売買契約書で確認すべき6つのポイントとトラブル回避方法

車を売るのは本やDVDほどカンタンではありません。

いくつも書類が必要になり、中でも売買契約書は必須。

  • 売買契約書の見方が分からない
  • どんな点に注意して見ればいいのか知りたい
  • もしトラブルに巻き込まれたどうする?

この記事は、こんな疑問を解決する内容になっています。

車の売買契約書で確認するべき点をわかりやすく解説し、どんな対策が必要なのかも紹介。

記事の後半では、安心して車を売る事ができる業者の探し方や、トラブルが起きた時の解決方法も紹介しています。

目次

車の売買契約で確認すべき項目6つ

車は財産として認められているため、売買には契約が必須です。

そこでほぼ全ての車買取業者では、契約の約款を用意しています。

クルサテ
約款とは契約の約束事を記載した文書のことを指すの。

カーセブンの車輌買取契約約款

これは筆者が実際にカーセブンでもらった契約の約款。

基本的に、ここに書かれていることを基に契約が交わされます。

そこで本章では、この約款の中でも特にチェックすべき項目を6つ紹介します。

車売買契約で確認すべき6つのチェック項目

  1. 【重要度大】車両の引き渡しについて
  2. 【重要度中】買取価格に含まれる税金
  3. 【重要度大】車両の名義変更について
  4. 【重要度大】修復歴の申告について
  5. 【重要度中】キャンセルについて
  6. 【重要度小】契約解除について
    クルサテ
    これらがどれくらい重要なのかを紹介していくわね。

    【重要度大】車両の引き渡しについて

    カーセブンの売買契約の約款には、車両の引き渡しについてこのような記載があります。

    第 3 条 車輌の引渡し

    1. 売主は、買主の指示に基づき、本契約書表面記載の車輌引渡日までに買主の指定する場所にて車輌を引き渡す。
    2. 前項の費用は、売主の負担とする。
    3. 売主の事情により、1項の期日に遅延が生じた場合、買主は再査定により本契約書表面記載の売買価格を減額することができる

    中でも重要なのが、「3 売主の事情により、1項の期日に遅延が生じた場合、買主は再査定により本契約書表面記載の売買価格を減額することができる。」という箇所。

    これは契約書で取り決めた日に引き渡しをしなかった場合、契約価格よりも値段を下げることがあるということ。

    クルサテ
    買取価格は引き渡しの日をベースに決めている場合が多いから、遅れると車の価値はどんどん下がっていってしまうの。

    「売り主の事情により」とあるように、買取店側の事情であればこの契約は関係ありません。

    対処法:絶対に契約で取り決めた日時に車を引き渡すこと

    【重要度中】買取価格に含まれる税金

    車の買取価格には、還付される税金やリサイクル料金などが含まれている場合があります。

    カーセブンの契約約款では、「付属品、消費税、自動車税、自動車重量税、自賠責保険」が買取価格に含まれるとされています。

    第 5 条 売買代金の支払い

    1. 買主は、売主が第 3 条第 1 項により車輌を引き渡し、かつ前条第 1 項の車輌の名義変更に必要な書類を買主に引き渡したときは、本契約書表面記載の売買代金を支払うものとする。ただし、この売買代金には以下のものを含む。
      1. 車輌本体価格及び付属する装備、部品類評価額
      2. 上記に対する消費税
      3. 自動車税/自動車重量税/自動車損害賠償責任保険の未経過相当額
    クルサテ
    例えばこれらが含まれない査定額80万円と、含む80万円では前者の方が高く売れるってことなの。

    車を少しでも高く売りたい場合、本来返ってくるお金はどのように扱われているのか売買契約書でしっかり確認しましょう。

    特に自動車税については還付されないところが多いです。

    多くの買取業者では、買取金額に含まれています。

    カーチスの場合

    ビッグモーターの場合

    ネクステージの場合

    カーチスやビッグモーターのように買取金額に含めているところもあれば、ネクステージのように税金還付金だけで分けて出す業者もあります。

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    対処法:買取価格の中に税金などが含まれているかどうかを確認する

    【重要度小】車両の名義変更について

    車は名義人というのが定められており、その名義人が自動車税などを支払う義務があります。

    そのため、手放した車は早急に車買取業者の名義に変更する必要があるのです。

    第 8 条 車輌の名義変更

    売主が買主に対して、第 4 条記載の名義変更に必要な書類の引き渡しを完了した後は、車輌の名義変更については、買主が一切の責任を負うものとする。 

    これは「買い取った車は責任を持って名義変更を行います」というもの。

    車買取業者の義務が書かれているだけなので、あまり気にすることはありません。

    クルサテ
    個人売買などは、車を買った人が名義変更をしてくれないなどのトラブルが多いの。
    対策:きちんとした車買取業者なら必ず記されている文章なので念の為確認する

    【重要度大】修復歴の申告について

    修復歴は車の価値を大きく左右する、非常に重要なポイントです。

    申告せずに売った場合、修復歴隠しが発覚したら減額分を支払わなければいけません。

    契約約款によると、「修復歴などはしっかり申告するように」となっています。

    第 9 条 誠実義務

    1. 売主は、車輌につき、その使用状況、品質、瑕疵の有無及び程度等を誠実に申告しなければならない。
    2. 売主は、本契約書表面に必要事項を正確、確実に記載、申告し、虚偽の記載、誤記入、記入漏れ等のないように留意するものとする。万一、虚偽の記載、誤記入、記入漏れ等によって発生する問題の責任はすべて売主が負うものとする。
    3. 売主は、車輌の事故歴、修復歴、改造、距離計交換、距離数巻き戻しの有無についての本契約書表面の記入欄につき、正確に記入することを要するものとする。なお、事故による修復歴については、財団法人自動車公正取引協議会の規約に準ずる。
    4. 売主は、本契約書表面に誤記入等を発見した場合は直ちにその旨を買主に報告し訂正しなければならない。

    絶対に申告しなければいけないもの

    • 事故歴
    • 修復歴
    • 改造
    • メーター交換歴
    • メーター距離巻き戻し歴

    事故歴や修復歴はもちろんですが、純正と異なる仕様に改造した場合はその内容も申告する必要があります。

    メーターの不具合で交換した場合や、それによってメーターの距離数が変わってしまった場合も申告の義務があります。

    カー君
    中古で買って分からない場合はどうしたらいいの?
    クルサテ
    この契約約款は故意に隠した場合のことだから、中古で買った車で分からない場合は、正直に「分からない」と話せばいいの。
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    【重要度中】キャンセルについて

    基本的に契約後はキャンセルはできませんが、カーセブンはキャンセル可能となっています。

    第 11 条 売主による契約の解除

    1. 売主は、本契約締結後であっても、表面記載の車輌引渡し期日までの間に限り買主に書類で通知して、本契約を解約(キャンセル)することができる。ただし、売主は、買主から手付金または売買代金の内金を受領している場合は、それを返還するのと同時でなければ本契約を解約(キャンセ ル)することができない。
    2. 前項の解約(キャンセル)を申し出た場合、売主は解約料(キャンセル料)として本契約に関わる買主側で生じた実損額を請求されても、一切の異議を申し立てないものとする。

    契約後から引渡し日までの間であればキャンセルができます。

    買い取った車を再販するために買取業者側がすでに費用をかけていたらその金額を支払うとされています。

    クルサテ
    例えば業者オークションに出品するために車両を移動していたら、その運搬費用が請求される可能性があるの。

    一般的に買取業者は、買い取った車はすぐに再販するための準備に入ります。

    そのためキャンセル不可となっている業者が多く、可能とされていてもキャンセル料を取られる可能性もあります。

    キャンセルが可能となっていても、1週間以内などの制限が設けられていることが多いのでしっかり売買契約書を確認しておきましょう。

    参考までに大手買取業者のキャンセル期限は下記のようになっています。

    買取業者名 キャンセル可否 期間 キャンセル料
    ガリバー 入庫(引渡し)から7日間 無料
    カーセブン 引渡しから7日以内 無料
    オートバックス 引渡しまで 無料
    ラビット △(店舗による) 店舗次第 店舗次第
    アップル △(店舗による) 店舗次第 店舗次第
    カーチス △(店舗による) 店舗次第 店舗次第
    ビッグモーター ×    
    T-UP ×    
    ユーポス ×    

    ※2024年12月現在

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    【重要度小】契約解除について

    査定額とは、査定をした時点の状態に対する価格です。

    もし車を引き渡す前に事故や故障で車の価値が大きく下がるようなことになれば、買取業者側が契約を解除することが可能。

    第12条 買主による契約の解除

    4.本契約締結日から車輌引渡日の間に契約車輌に破損等変化が生じた場合は、買主は本契約を解除できるものとする。

    売買契約を交わした後は、車の価値が変わってしまうような改造も絶対NG。

    重要なパーツを取り外したり、カーナビなどを別のものに入れ替えるのも基本的には禁止されています。

    クルサテ
    契約時にパーツの取り外しなどの同意を得られていれば問題ないけど、それ以外はダメなの。
    対策:売買契約後は慎重に車を扱い、パーツの交換などもしない

    何気なくサインをしている売買契約書ですが、よく見ると非常に重要なことばかり書かれています。

    契約書の内容は買取業者によって異なるので、売買契約を交わす前に約款はしっかり読みましょう。

    店頭のデスクに置かれている場合が多いので、待ち時間に目を通しておくのがオススメです。

    カー君
    でも、いちいち売買契約書の約款なんて確認していられないよ。法律とか分からないし…。
    クルサテ
    そういう時こそ、ちゃんとした買取業者に売るのがオススメよ!

    売買契約のチェックが面倒ならJPUC加入業者にする

    売買契約書の約款のチェックは、正直に言うと面倒な作業です。

    そのため隅々まで見ている人は少なく、その後トラブルにならなければラッキーというのが実情。

    しかし、独立行政法人国民生活センターには意外とトラブル事例が数多く報告されているのです。

    クルサテ
    ここでは実際にあったトラブルと、それを回避するJPUCという団体について説明していくわ。

    JPUCは車買取業界健全化のために立ち上げられた団体

    JPUCは「一般財団法人日本自動車購入協会」という団体で、車買取業界の健全化を目的として設立。

    トラブル解決のための相談窓口を設けたり、車買取業者に対してガイドラインを制定したり、安心して車を売れる環境づくりに努めています。

    クルサテ
    JPUCに加入している車買取業者なら安心して車を売ることができるってことね。

    売買契約後のトラブル事例

    国民生活センターには、売買契約後のトラブルとしてこんな事例が報告されています。

    【事例1】契約当日、引き渡しもしていないのに解約できない

    インターネット上の車の無料見積もりサイトに自分の車の情報を入力したところ、たくさんの業者から車買い取りの電話がきた。たまたまある業者に査定のために来訪してもらった。自宅の前の路上で、「65 万円で買う」と言い、迷ったが、かなりしつこいので「70 万円なら売ってもよい」と言ったところ、それで買うと言うので、自動車の中で契約書にサインし、母印を押した。その後別居中の妻に連絡したところ「売らないでほしい」と言われたので、業者に連絡しキャンセルを伝えたところ、「キャンセルできない、買い手がつき手付金ももらっている」と言われた。当日のことで、まだ手元に車があるのにもう買い手がついたというのは信じられない。確かに契約書にはキャンセル不可と記載があるがなんとかキャンセルしてほしい。 (2011 年 9 月受付 30 歳代 男性 給与生活者 埼玉県)

    【事例9】事故車と言われ、引き渡し後に減額された

    新車を買うために今の車の査定を申し込んだ。3 日前、自宅に来てもらい査定してもらったら 22 万円で買い取ると言われ、その場で契約し車を引き渡したが、2 日後業者から「隣の県のオークション会場に運び点検したら、事故車と判明したので半額での買い取りになる」と言われた。3 年前に 6 年落ちで購入したが、そのときには事故車だとの話はなく自分も事故を起こしたことはないと伝えたが、業者は、「納得がいかなければキャンセルするが、運送費 3 万円を解約料として払え、払わないと車は返さない」と言う。 (2011 年 11 月受付 30 歳代 男性 給与生活者 静岡県)

    ※出典:国民生活センター「増加する自動車の売却トラブル」より

    カー君
    どれも売買契約書を読んでいれば回避できたトラブルだね…。
    クルサテ
    減額トラブルというのは未だに起きているんだよ。

    これはTwitterに投稿された減額トラブルの事例。

    ビッグモーターといえば、先程紹介したJPUCに加入している企業。

    JPUCに加入している企業でも減額トラブルがあるというのが実際のところです。

    クルサテ
    残念ながら、トラブルは完全にゼロにすることはできないの…。そんな時のために、JPUCでは相談窓口が設置されているの。

    JPUCでは、「車売却消費者相談室」というものが設置されています。

    もしトラブルが起きたら、JPUCにすぐに連絡しましょう。

    もしくは、国民生活センターに連絡をしましょう。

    一人で買取業者と直接やり取りするのではなく、こうした協会を上手に活用することが、安全に車を売る方法です。

    再査定による減額トラブルの相談窓口

    • 一般財団法人 日本自動車購入協会(JPUC)の車売却消費者相談室:0120-93-4595(※平日9時~17時)
    • 国民生活センター 消費者ホットライン:188

    キャンセルや減額トラブルについては下記記事で詳しく解説しています。

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    まとめ

    • 売買契約書には重要なことが書かれているので必ず確認する
    • 中でも、キャンセルや減額に関する項目はしっかり読んでおくべき
    • 売買契約書は買取業者によって異なるため、全ての業者のものを確認する
    • もし売買契約書の確認が面倒なら、JPUC加入業者で車を売るのがオススメ
    • JPUC加入業者でトラブルが起きたら、相談窓口に連絡するべき
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