車売却は大きな金額が動くため、「契約」というものにはいつも以上の神経を使ってしまうものです。
そしていざ売却したにもかかわらず、売却後に
- 「本当に売却して良かったのかな…」
- 「思い出をこんなに簡単に手放さなければ良かったな…」
と後悔してしまう方も多くいます。
その結果「売却契約をした後ではあるけど、やっぱりキャンセルしよう」と思うこともあるでしょう。
しかし
- 売却後にキャンセルすることはできるのだろうか
- キャンセルには違約金やキャンセル料がかかるのだろうか
- そもそも車売却しなければ良かったのだろうか
と悩んでしまいますよね。
そこで今回は車売却が成立した後のキャンセルについて解説していきます。
実際に各車買取店のキャンセルに関する規定を元に、解説していきますので該当する方はぜひ参考にしてくださいね。
内容も極力簡単にまとめていますので最後までスラスラ読むことができ、車売却後のキャンセルについて理解できますよ!
車を売却後にキャンセルやクーリングオフは可能?

車を売却後にキャンセルした場合は違約金を払う必要はあるの?
まずは車を売却後のキャンセルは可能なのでしょうか。
以下にてみていきましょう。
売買契約書を確認しよう
キャンセル可能かどうかは、まずは売買契約書を確認しましょう。
売買契約書は車買取店ごとに名称は異なりますが、基本的には
- 売却額
- 引き渡し日
- 入金日
など、その車売却に関わるお金のことが詳細に記載されています。
そして売買契約書の多くは、裏面にキャンセルやキャンセル料に関わる規定が記載されていることがほとんど。
もしキャンセルに関する規定の中でキャンセル料が発生する旨が記載されている場合は、残念ですがキャンセル料がかかる場合がほとんどです。
また法律的にもほとんど問題ない場合が多く、基本的にはキャンセル料として提示された満額を支払わなければなりません。
もちろんほとんどの車買取店がキャンセル料について明記していますので、「キャンセル料は基本的にかかる」と覚えておきましょう。
また、クーリングオフは、訪問販売などで購入させられた場合は返金制度。
車を売却して、お金を受け取る側のあなたは、クーリングオフの対象外です。
しかし契約後、早めにキャンセルの申し出をすることでキャンセル料が発生しない場合もありますので、詳細を下記にてご紹介していきます。
早めのタイミングのキャンセルであれば大丈夫?
早めのキャンセルであればキャンセル料が必要ではないというのは本当でしょうか。
いくつかの車買取店は「契約後○営業日以内であれば解約OK」などとホームページ上で堂々と紹介しています。
確かに「いくつかの車買取店では早めのキャンセルは許される場合がある」のは事実。
実際に車買取店が入金や名義変更をするタイミングは、おおよそ3日~1週間程度ですから、名義変更手続きがされる前には確実に申し出ておくべきでしょう。
仮に名義変更手続きが完了してしまった場合は、もうあなたに所有権がありませんから諦めるしかなくなってしまいます。
必ずキャンセルを思い立った際は1秒でも早く車買取店に申し出ましょう。
とはいえ車買取店のキャンセル規定が絶対的な力を持っています。
そこで次章にて、大手車買取店のキャンセルやキャンセル料についてご紹介していきますからご覧ください。
大手のキャンセル規定
今回キャンセル規定をご紹介する大手車買取店は下記の6社です。
- ガリバー
- ビッグモーター
- カーセブン
- カーチス
- アップル
- ラビット
この6社は筆者が独断で選んでいますが、誰もが看板を見たことのある車買取店を選びました。
詳細はそれぞれ以下にてご紹介していきます。
ガリバー
車売却をする上で最も候補に挙がる車買取店はガリバーではないでしょうか。
ガリバーはキャンセルに関してはホームページ上に紹介されています。
まず前提として、クルマを手放すときに売買契約を交わしているはずです。売買契約に従い、一定の期間はキャンセルは可能ですが、それ以降でのキャンセルはキャンセル料(違約金)を請求される可能性があります。これはクルマを買う場合も同様のことです。
なぜなら、お店にクルマを売却したら、買取店は即座にオークションへの出品や店頭での販売準備に取りかかっているからです。クルマが買取店の手元から離れてしまっているケースももちろんあります。
クルマを売却するときもクルマを買うときも、キャンセルを含めた契約後の内容変更はトラブルの元になります。売却前に本当に手放していいのかをじっくり考えてみましょう。
そして、もしどうしても契約をキャンセルしなくてはならないような緊急事態が発生したら、早急にお店に電話をかけて事情を説明してください。
ガリバーのキャンセル規定
※出典:ガリバー「売買の契約について」より
上記を見ると、一定の期間はキャンセル可能と書かれています。
また、さらに詳しく知るためにホームページ上では紹介がなかったため、お客様相談窓口でキャンセル料に関してヒアリングしました。
回答としては、「無償キャンセル期間を過ぎた場合はお金に関係なくキャンセルはできない。売買契約は締結されており、契約書の裏面にも書いてある通りです。」とのことでした。
そのためもしキャンセルの可能性があるのならば、契約翌日までに答えを出す必要があります。
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ビッグモーター
ビッグモーターはガリバーと肩を並べる大手車買取店です。
そのため最近ではメキメキ店舗数を増やしており、実際に買取価格も非常に高いという特徴があります。
ホームページ上ではキャンセルに関する規定はありませんでしたが、筆者は1年前にビッグモーターで車売却をした経験があるので当時の担当営業マンに話を聞いてみました。
担当営業マンの話では
- そもそもお客様からの一方的なキャンセルはできない
- お客様の同意を得てからきちんと契約している
- 「他社の方が高かったから…」といって他社でも契約する「二重契約」は違法
とのことでした。
そのためビッグモーターではお客様都合によるキャンセルは基本的に受けていないということになります。
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カーセブン
カーセブンはフランチャイズ展開をしており、地域密着型ともいえる車買取店です。
そのため買取価格は店舗ごとに異なることも多いのですが、高価買取をする傾向にある車買取店といえます。
そしてキャンセルに関してはホームページ上で「ご契約後でもキャンセルは一切かかりません」とされているのです。
メールにて詳細を確認しましたので、メールの全文を掲載しておきます。
****様 こちらはカーセブンCRMセンターです。
お問い合わせいただきありがとうございました。
カーセブンでは全ての店舗においてお車のご売却の場合、 お引き渡し日から7日間まで解約可能です。
フランチャイズの店舗ごとに違いはございませんが、 念のため契約前に事前に担当者に御確認ください。
また、7日間過ぎてしまってからのキャンセルは想定しておりませんため、 『キャンセル料』という設定は致しておりません。
当チェーンでは、お客様がお車のご売却について、ご契約後でも冷静にご判断頂ける 期間を設ける主旨として『7日間』とさせていただきました。
お車へのご愛着や様々なご事情がおありのことと存じます。
ご契約の時期なども含め、お近くのカーセブン店へご相談くださいますと幸甚です。
以上、宜しくお願い致します。
この条件は逆を言えば「7日過ぎてしまった場合は確実に車が戻ってこない」ということです。
そのため車売却をする決意を十分にしてからの車売却をしましょう。
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カーチス
カーチスは買い取った車を直接販売することから、中間マージンを取ることなく高価買取を実現している車買取店です。
カーチスでは相談窓口へ電話したのですが、なんと意外な答えが返ってきました。
それは
- 日数の規定はなく基本的には応じる
- ただしあくまで契約なので、「もう売るぞ!」というつもりで契約してほしい
ということです。
とはいえ、例えば契約から1ヶ月経過した車が戻って来るかというとそうではないでしょう。
そのあたりについてはコールセンター担当の女性も言葉を濁していました。
契約前に確認することはもちろんですが、少しでもキャンセルの可能性があるのであれば契約を先延ばしにしましょう。
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アップル
アップルもフランチャイズ展開で全国に数多くの店舗を持っている車買取店です。
アップルのキャンセル規定についてはお客様相談窓口にて聞くことができました。
お客様相談窓口では
- アップル本部が通達しているキャンセルの指針というものは出しているがフランチャイズ店舗に強制できないため、各店舗でキャンセルの条件が異なる可能性が高い(売買契約書のフォームも自由である)
- そのため一概にキャンセルに関して言うことはできない
- アップル本部が通達しているキャンセルの指針は、「引き渡し後翌日まで無条件で解約可能」「ただし7日以内に支払われた金額の返金と指定日指定場所への車両引き取り」がキャンセルの条件とされている
- しかしやはりフランチャイズ店舗によっては契約書に「~その限りではない」などの文言をつけ、お客様都合のキャンセルを受け付けていない場合もある
とのことでした。
フランチャイズ店舗ごとに違いがあるため、キャンセルは難しいかもしれません。
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ラビット
ラビットもフランチャイズ展開で全国に数多くの店舗を持っている車買取店です。
ラビットにもお客様相談窓口でキャンセル規定について聞いたところ、
- キャンセル可能な経過日数などは決まっていない
- しかし次のユーザーが決まっている場合はキャンセル不可
- キャンセルする場合は、車内のクリーニングや整備にかかった費用の弁償と、手数料が取られる場合がある
- とはいえ基本的に店舗とお客様の話し合いで結果が決まるので、一概には言えない
とのことでした。
契約上の問題ではなく話し合いにの場をもつことができるため、比較的安心かもしれませんね。
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以上で大手車買取店のキャンセルに関する規定とキャンセル料についての紹介を終了しますが、参考になったでしょうか。
実際には車買取店側のミスによるキャンセル等もあるため、一概にご紹介した条件でキャンセル料が取られるということはないかもしれません。
しかしあなたが車売却をした店舗と直接やり取りをすると、話が平行線をたどって大きなもめ事になりかねないのです。
そのため各社の「お客様相談窓口」でまずは相談し、ありのままを伝えた上で交渉を続けましょう。
車買取業界は顧客からの信用が落ちると業績もガタ落ちしてしまいますから、必ず丁寧な対応をしてくれますよ。
とはいえ、そもそもキャンセルを発生させないことが重要です。
次章でご紹介するようによく考え、よく吟味した上で車売却をしましょう。
車売却で迷わないようにするためにこれを決めておく

二度と同じことが起きないようにするために…
車売却は大きな金額が動きますが、予想外にテンションが上がってしまい納得する前に車売却をしてしまうことがあります。
しかし先程ご紹介したように売却後のキャンセルはキャンセル料を取られることがあるため、結果的に大損をしてしまうことがあるのです。
そのためしっかりと計画をしてから車売却をしなければならないということを肝に銘じておきましょう。
中途半端な気持ちで売却しない
当然のことではありますが中途半端な気持ちで車売却をしてはいけません。
なぜならキャンセル料などにより大損をしてしまうことはもちろんですが、後々にあなたが精神的なダメージを負ってしまうからです。
実際に車売却を失敗してしまった方は「どうしてこんなことになってしまったのか…」と非常に後悔しています。
結果的に金銭的にも精神的にも追いつめられる可能性が高いため、悪く言えば「ノリ」で売却を決定してはならないのです。
家族の許可を取ってから売却しよう
よくあるキャンセル理由のひとつに「妻(家族)からの反対にあった」というものがあります。
それは売却を決定した方が家族の了承を得ず、勝手に車売却を決定してしまったことでキャンセルしなければならなくなるのです。
実際筆者の家庭でもそうなのですが、妻が決裁権を持っている家庭は非常に多いため「売却するかしないか」という問題は妻が決定するものなのです。
また男性はその場の雰囲気に流されて突発的な決定をすることが多いため、妻もしくは他の家族の意見を聞く前に決定してしまうこともあります。
結果的に家庭の事情でキャンセルをしなければならないという状況を防ぐためにも、よく冷静になり家族と相談の上車売却をしましょう。
そうすることで車売却後にキャンセルしなければならない可能性は低くなります。
他にもキャンセルを防ぐために必要なことはあるかもしれませんが、同じことを繰り返さないために必要なキーワードは「冷静になってよく考えてから売却する」ということです。
気持ちが高ぶるのは仕方ありませんが、必ず一度冷静になることが失敗を防ぐカギとなります。
もう車売却をしてしまった方は次に同じことをしないよう心に留めておき、まだ車売却をしていない方は一度冷静になってくださいね。
そうすることで失敗を確実に避けることができますよ!
まとめ
以上で車売却のキャンセルについての解説を終了しますが、いかがでしたか?
キャンセル規定などについては調べてもなかなか出てこないため参考になったかと思います。
車売却とキャンセルについてまとめると
- そもそもキャンセルができない可能性がある
- キャンセルできても非常に大きな損をしてしまう可能性がある
- フランチャイズ店舗ではキャンセルの条件が店舗ごとに異なる可能性がある
- 売買契約を結ぶ際は、冷静になることが重要
ということがいえます。
キャンセルしたいという気持ちは分かりますが、基本的に車買取店が出す条件を飲むほかないでしょう。
そのためまだ車売却をしていないのであれば、冷静になる必要があります。
あなたの車、本当に売却しても大丈夫ですか?