車というのは1台1台、国に登録されており、所有者というのが登録されています。
所有者は「車検証の氏名」を見れば分かります。
車を売却するというのは、この所有者を変更(名義変更)することになります。
名義変更には様々な手続きや必要な書類があります。
所有者が他人名義であれば、なお手続きが複雑になります。
今回は売却しようとしている車が親や家族、他人名義の場合の売却方法や手続、必要書類を解説します。
車の所有者(名義人)が他人になっているよくある3つのケースと売却方法
車の所有者が他人になっているよくあるケースは下記3つがあります。
車の名義人に他人になっているよくあるケース
- 親・家族や親戚・友人の名義になっている
- 認知症や死亡した人の名義になっている
- ローン会社名義になっている
①親・家族・親戚・友人などの名義の場合
自分が免許を取り車を乗れるようになった時など、親の車を自分(子供)がそのまま譲り受けるケースがあります。
また、妻の車を夫名義で車を購入することや、中には親戚や友人から譲り受ける方もいます。
売却方法
売却の基本的な流れは、親、家族や親戚・友人名義を自分名義にして通常の売却をするだけ。
ただし、ディーラーなどで買取業者は、売却した後にまた名義変更をすることになり、そんな面倒なことはしません。
親・家族や親戚・家族名義の車をディーラーや買取業者に売る場合
- 【本来の流れ】親・家族・友人名義→自分名義にして売却手続き→ディーラー・買取業者の名義
- 【実際の流れ】親・家族・友人名義で売却手続き→ディーラー・買取業者の名義
つまり、基本的には名義人の人に必要書類を準備をしてもらって通常の売却手続きをします。
必要書類
書類 | 普通自動車 | 軽自動車 | 店舗or自分 |
---|---|---|---|
自動車検査証 | ○ | ○ | 自分 |
自動車賠償責任保険証明書 | ○ | ○ | 自分 |
自動車税納税証明書 | ○ | × | 自分 |
軽自動車税納税証明書 | × | ○ | 自分 |
印鑑登録証明書 | ○ | × | 自分 |
実印 | ○ | × | 自分 |
認印 | × | ○ | 自分 |
リサイクル券 | ○ | ○ | 自分 |
譲渡証明書 | ○ | × | 店舗 |
委任状 | ○ | × | 店舗 |
自動車検査証記入申請書 | × | ○ | 店舗 |
この時、大事なのが親、家族や親戚・友人(名義人)の実印が必要ということ。
また、印鑑証明書、譲渡証明書、委任状も親や家族(名義人)の実印での捺印が必要です。
友人や親戚に車を売るときの方法や流れについては、下記記事で詳しく解説しています。
車売るときの書類については下記記事で詳しく解説しています。
名義人が海外などで印鑑証明書が取り寄せられない場合
海外などに居住しており、名義人の印鑑証明書が取得できないケースがあります。
その場合は、日本大使館にてサイン証明や捺印証明を発行してもらい送ってもらいましょう。
印鑑証明書代わりになります。
②認知症や死亡した人の名義の場合
親や家族が認知症の場合や死亡している場合があります。
認知症の場合の売却方法
売却の流れ
- 成年後見人の許可を取る
- 必要な書類を準備して売却手続きをする
必要となる書類は成年後見人のモノが必要
- 実印→成年後見人の実印
- 印鑑証明→成年後見人の書類
- 譲渡証明書→成年後見人の実印が捺印された書類
- 委任状→成年後見人の実印が捺印された書類
まず認知症の場合は、例え名義人の実印が捺印してある委任状でも無効になってしまいます。
理由は、認知症の人は代理人を判断する能力が無いと判断されるから。
この場合は、成年後見人を立てて手続きを取る必要があります。
成年後見人は家庭裁判所に申し立てることで受理してもらうことが可能です。
成年後見人が認められれば、名義人の実印や印鑑証明、譲渡証明書ではなく、成年後見人のモノが必要です。
また、成年後見人を証明する書類が合わせて必要になります。
死亡している場合の売却方法
売却の流れ
- 死亡した人の名義人を自分名義に変える
- 通常の売却手続きをする
名義を自分にするために必要な書類
- 遺産分割協議書
- 印鑑証明書(相続人全員分)
- 戸籍謄本(名義人と血縁がわかること)
死亡している場合は、
- 親・家族→ディーラー・買取業者の名義
ができなくなり、
- 親・家族→自分名義→ディーラー・買取業者の名義
にする必要があります。
つまり、一度自分名義に変更する必要があります。
名義変更は、登録されている陸運支局(軽自動車の場合は、軽自動車検査協会事務所)で行います。
もちろん、しっかり相続されていることが前提となるため、遺産分割協議書や相続人全員分の印鑑証明書、名義人との血縁がわかる戸籍謄本が必要になります。
友人の場合は、遺言状など自分が相続人であることの証明も必要です。
相続車両の手続きや売却方法については下記記事で詳しく解説しています。
③名義人がローン、リース会社の名前
車をローンや残クレ、リースなどで購入している場合があります。
売却方法
売却の基本的な流れは、親や友人に売却する場合と変わりません。
ローンやリース会社になっている名義を自分名義にして通常の売却をするだけ。
ただし、ディーラーなどで買取業者は、売却した後にまた名義変更をすることになり、そんな面倒なことはしません。
ローンや残クレが残っている車をディーラーや買取業者に売る場合
- 【代行しない(本来)場合の流れ】売却する人がローン会社にローン残債を支払う→所有者を自分に変更(名義変更手続き)→ディーラーや買取業者に売却→売却代金の受け取り
- 【代行してもらう(一般的)場合の流れ】ディーラーや買取業者に売却→ディーラーや買取業者が売却代金からローン会社にローン残債分を支払う→売却代金の残り分を受け取り
もしも、売却代金の方がローン残債より安かった場合は、ローン残債分の現金を用意して、ディーラーや買取業者に渡すことになります。
つまり、残債分の現金を用意できなかったら、基本的には売ることができません。
ただ、乗り換えローンなどを組み合わせれば売ることはできます。
ローン残債がある車を売る方法については下記記事で詳しく解説しています。
必要書類
車売るために必要な書類は、ローンの有無にかかわらず下記の通りになります。
書類 | 普通自動車 | 軽自動車 | 店舗or自分 |
---|---|---|---|
自動車検査証 | ○ | ○ | 自分 |
自動車賠償責任保険証明書 | ○ | ○ | 自分 |
自動車税納税証明書 | ○ | × | 自分 |
軽自動車税納税証明書 | × | ○ | 自分 |
印鑑登録証明書 | ○ | × | 自分 |
実印 | ○ | × | 自分 |
認印 | × | ○ | 自分 |
リサイクル券 | ○ | ○ | 自分 |
譲渡証明書 | ○ | × | 店舗 |
委任状 | ○ | × | 店舗 |
自動車検査証記入申請書 | × | ○ | 店舗 |
車を売るときの必要書類は下記の記事にも解説しています。
まとめ
- 売却前に所有者の名義を確認する
- 所有者の名義が自分ではない場合は原則名義変更が必要
- 買取業者やディーラーで売る場合は、名義変更などは必要なし